シリーズ企画 第10回「絵画を考える — 音を描く— 」
(工房親 主宰 馬場隆子)
カミサキ ウタオ(鬼頭明稚)
1964年 名古屋生まれ
1990年 多摩美術大学大学院修了
2001年 TWW2000審査員長賞受賞
2015年 全音現代音楽コンサートポスターイメージ制作
個展等展覧会多数
1987年 パンクバンド「ヒジョーネコ」Bass担当
2002年 サウンドパフォーマンス
2010年 ワークショップデュオ caps_roKc
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
「おとしもの」
子供の卒業式に出席した。卒業生や在校生の合唱が場を盛り上げていく曲の終わりにビデオカメラの作動音がステレオで耳に入った。サンプリング音入りの曲でもいいような気がしてきた。静かな夜の耳鳴りにも参っているが、聞こえるはずのエンジン音を発すること無く静音動作するハイブリッド車に目眩がしている。
■これまでの作品
「十(じゅうじ)」(2018)
綿キャンバスにアクリル絵具
727㎜ × 727㎜
鈴木敦子
2004年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2013年 第28回ホルベイン・スカラシップ奨学生
個展
2006年から藍画廊、A-things、OFFICE IIDA/東京、iGallery DC/山梨、Gallery Pepin/埼玉、他
主なグループ展
2010年 「時の遊園地」名古屋ボストン美術館/愛知
2011年 「Art in an Office」豊田市美術館/愛知
2013年 「VOCA展2013」上野の森美術館/東京
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
知覚した「音」をどのような形で平面上に可視化したらいいのかを探ります。
■これまでの作品
タイトル「音」(2009-2010)
油彩 アクリル絵具 糸 ジェッソ 綿布
45.7×45.5cm
田中隆史
1970年 群馬県生まれ
1997年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程陶芸修了
主な展覧会
2019年 フォルム・リミット展(フランス、パリ市)
2018年 time crossing(壺中居、日本橋)
2017年 第10回現代茶陶展(土岐市)
第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ(金沢市)
パブリックコレクション
2017年 岐阜県土岐市文化振興事業団
2012年 ニューアーク美術館(USA)
2011年 フィラデルフィア美術館(USA)
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
今回は、物がぶつかり合った時に生じる音をテーマとして取り組んでみたいと思います。例えばデッサンを考えてみると画用紙と鉛筆が擦れ鉛筆の跡が残ります。それは何かの表現のかたちとして現れる一方で擦れ合う音の集積と捉えることも出来ます。このような事をぼんやりと考えながら進めてみようと思います。
■これまでの作品
「メインディッシュ2」(2017)
349mm×424mm
工房親企画 フレンチかえりやま コラボ作品
中村索
1970年生まれ
神奈川県出身
平面作品を中心に制作
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
色や形と、音色や旋律は、親和性が高いように思います。
気負わずに、自然体で制作に取り組むことができればと考えています。
ほかの方々の作品とともに、展示空間がどんな音場となるのか、来場者の皆様の耳にはどんな音世界が広がることとなるのか、出品者の一人ではありますが、楽しみにしております。
■これまでの作品
「1/70 秒」(2018)
1,167×910mm キャンバスにアクリル絵の具
福室みずほ
筑波大学芸術専門学群 美術専攻 日本画コース卒業
個展
2003~05 ARTSPACE Arles(牛久)
2003、05、06 十一月画廊(銀座)
2006 日仏会館(恵比寿)
2008 Gallery Archipelago(茅場町)
2010 ギャラリープラーナ(恵比寿)
2011 art gallery closet(西麻布)
2012 茶茶(狛江)
2014 art gallery closet(西麻布)
2016~18 KURUMA'rt contemporary (日本橋)
グループ展
2004 拡兆する美術TSUKUBA2004(茨城県立つくば美術館/つくば)
他多数
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
ある舞台で長い長い息苦しい沈黙からはじめの音が聞こえたとき、たった一つの音がうなるように自分のいる空間を広げて行ったような感覚を覚えました。音の伝達の過程では何が起こっているのだろう。空気だけではない得体の知れないものが自分と音の間を行き来しているようで、伝搬に関わる存在の多さに気が遠くなるようでした。今回「音を描く」というテーマに対し、私が考える音というものはこの空間です。音から始まる運動を、この時の丸ごとの空間ぜんぶを、絵画として表現したいと考え制作しました。
■これまでの作品
「watershed」(2018)
パネルにキャンバス・アクリル・顔料インク
910×727mm
野津晋也
1969 島根県松江市生まれ
1992 鳥取大学農学部農林総合科学科卒業
2000 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2002 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了
2015 "CORRESPONDENCE LANDSCAPE" 工房親
2016 「絵画を考える」 工房親
2018 個展「ここの山、隣りの雲」 アートギャラリー環
2019 個展「ふくら芽」 アートギャラリー環
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
馴染みの曲でも聞きながら、今回の展示について想いを巡らそうと、自宅のオーディオへ手をのばす。しかし、電源が入っているのにもかかわらず、まったく動く素振りはない。
実をいうと、これが故障しているのをうっかり忘れていた。オーディオから聞こえてくるはずだった曲。そのリズムを、以前某古書店で手に入れたピアノ小曲集の楽譜を頼りに、頭の中で奏でてみる。
けれども、音符の一向に腑に落ちない姿を眺めているばかりで、その曲の美しい調べはいつまでたっても思い出せなかった。
気がつくと、馴染みの曲はいつの間にか記憶の底へまぎれ込み、そして突然、正体不明の見知らぬ曲が、口をついて姿を現したのだった。
■これまでの作品
「仮寓・片 1.」(2013)
紙、ペン、ガッシュ、水彩、パステル、コラージュ
21.4×26.4cm
山神悦子
1950年 香川県生まれ
1973年 お茶の水女子大学家政学部卒業
1989年から個展、グループ展で、油彩、ドローイング、版画などを発表している。 マケドニア、ブルガリアでの滞在制作、フランスでの版画ビエンナーレ入選、大阪、ベルギー、香港でのアートフェアー参加などの活動のほか、装画もしている。
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
制作するに当たっていつも心がけている事の中に、筆触の勢い、強弱、リズム、自然な流れ、色彩の調和など、音楽と共通する要素があります。 今回のテーマは音そのものなので、より焦点を絞るために身近にある音源をモチーフとして取り上げました。一つはサヌカイト(通称カンカン石)、もう一つは鉄製のインドのドアベルです。どちらも素朴で澄んだ美しい音を響かせます。その音から受ける印象を画面に描き出そうと試みています。
■これまでの作品
"Tune of Stone" (2018)
410×318mm
oil on canvas
渡辺有葵
1981 年 静岡県三島市生まれ
2006 年 日本大学大学院造形芸術専攻博士前期課程修了
主な個展
2008 年 ガレリア・グラフィカ bis 東京 ( 以後 `10 )
2009 年 みゆき画廊 東京
2011 年 ギャラリー絵夢 東京
2012 年 ギャルリー志門 東京
2013 年 NICHE GALLERY 東京 ( 以後 `15`17 ), HIGURE17-15cas 東京
2015 年 グリゼット 東京
2016 年 GALERIE SALON de S 東京
2017 年 GaIIery Pepin 埼玉 , Kepco Art Center Gallery ソウル ( 韓国 )
受賞暦
2014 年 第 78 回新制作展 損保ジャパン日本興亜美術財団賞
2015 年 第 79 回新制作展 新作家賞 ( `18 )
■本展覧会テーマ「音を描く」に対するコメント
写実的に描く部分の力と絵具の物質感の力といった質の違うエネルギーをコンポジションすることで音楽の感動やリズムを表現しています。音や感動する心は目に見えなく無重力だと思い、無重力的平面を描いています。
■これまでの作品
「耳で視る」(2018)
291cm×194cm
oil on canvas
▼展覧会概要
展覧会名 「絵画を考える -音を描く- 」
会期 2019年9月7日(土) - 9月28日(土)
▼オープニング・トーク
作家によるトーク ( 無料、事前予約不要 )
9月14日(土) 14:00 - 15:30
オープニング ( どなた様でもご参加頂けます。)
9月14日(土) 16:00 - 18:00
開廊 水 - 日 12:00 - 19:00
(日曜は18時まで。展示最終日は17:00まで。)
休廊 月・火
会場 工房親
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 2-21-3
TEL / FAX 03-3449-9271
交通 地下鉄日比谷線「広尾駅」2番出口 徒歩6分
JR山手線「恵比寿駅」西口 徒歩15分
渋谷より都バス06 新橋行・赤羽橋行「広尾5丁目」下車 徒歩3分
Website http://www.kobochika.com